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TypeScriptでのString型操作は、Webアプリケーションやスクリプトを作成する際に非常に重要です。JavaScriptをベースにした言語であるTypeScriptは、JavaScriptの標準的な文字列メソッドをそのまま利用可能です。この記事では、TypeScriptにおける主要なStringメソッドを解説し、実際のサンプルコードを交えながら各メソッドの使用方法を紹介します。TypeScriptの利点である型注釈を活かしたコードを通して、より堅牢で理解しやすい文字列操作を行えるようになります。
lengthプロパティは、文字列の長さを返します。これは文字列操作の最も基本的な操作の1つです。例えば、入力フィールドの文字数制限をチェックする際に役立ちます。
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const str: string = "Hello, TypeScript!"; console.log(str.length); // 出力: 18 |
このプロパティを使うことで、配列や文字列の長さを効率よく取得でき、ユーザー入力の検証や他の操作に役立ちます。
これらのメソッドは、それぞれ文字列を大文字や小文字に変換します。ユーザー入力を正規化したり、特定の比較条件を満たすようにする際に便利です。
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const str: string = "Hello, TypeScript!"; console.log(str.toUpperCase()); // 出力: "HELLO, TYPESCRIPT!" console.log(str.toLowerCase()); // 出力: "hello, typescript!" |
実用例:
Webフォームの入力値をデータベースに保存する前に、ユーザー入力の大文字・小文字を統一する場面で非常に役立ちます。例えば、メールアドレスの一貫性を保つために小文字に変換することができます。
slice()メソッドは、文字列の一部を抽出して新しい文字列を返します。このメソッドでは、開始位置と終了位置(オプション)を指定して部分文字列を取り出します。
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const str: string = "Hello, TypeScript!"; console.log(str.slice(0, 5)); // 出力: "Hello" console.log(str.slice(7)); // 出力: "TypeScript!" |
実用例:
URLやファイルパスの処理、特定の情報を文字列から抽出する場合に役立ちます。例えば、ドメイン名や拡張子を抽出する場合などが考えられます。
replace()メソッドは、指定した部分文字列を別の文字列に置き換えます。1つ目の引数に置き換えたい部分、2つ目に置き換える文字列を指定します。
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const str: string = "Hello, TypeScript!"; const newStr: string = str.replace("TypeScript", "JavaScript"); console.log(newStr); // 出力: "Hello, JavaScript!" |
実用例:
特定の単語や記号を一括して置き換える際に使えます。例えば、テンプレート内で動的なコンテンツを差し込む際や、ユーザーから入力された不適切な単語をフィルタリングする場合などに有効です。
split()メソッドは、指定した区切り文字で文字列を分割し、配列として返します。このメソッドを使うと、CSVデータや複数の要素を含む文字列を簡単に処理できます。
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const str: string = "apple, banana, cherry"; const fruits: string[] = str.split(", "); console.log(fruits); // 出力: ["apple", "banana", "cherry"] |
実用例:
フォームの入力で複数の項目をカンマ区切りで取得し、それを配列に変換してデータベースに保存する場合などに活用されます。また、テキストファイルから読み取ったデータを処理する際にも便利です。
concat()メソッドは、複数の文字列を結合して1つの新しい文字列を生成します。+演算子を使った文字列結合に代わる方法です。
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const greeting: string = "Hello"; const name: string = "TypeScript"; console.log(greeting.concat(", ", name, "!")); // 出力: "Hello, TypeScript!" |
実用例:
動的に生成されたテキストやユーザーの入力値を組み合わせて、1つの文字列として表示する場面でよく使われます。例えば、ユーザー名やメッセージのカスタマイズに便利です。
trim()メソッドは、文字列の先頭および末尾から不要なスペースを削除します。フォーム入力の処理やデータベースに保存する際、余分な空白を取り除くために非常に役立ちます。
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const str: string = " Hello, TypeScript! "; console.log(str.trim()); // 出力: "Hello, TypeScript!" |
実用例:
ユーザーがフォームに入力したテキストデータから無駄なスペースを削除して、データベースにクリーンな情報を保存する場合などに活用されます。
charAt()メソッドは、指定したインデックスに対応する文字を返します。charCodeAt()は、文字のUnicodeコードポイントを返します。
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const str: string = "TypeScript"; console.log(str.charAt(0)); // 出力: "T" console.log(str.charCodeAt(0)); // 出力: 84 |
実用例:
文字列内の特定の文字を取得して処理したり、文字コードを使って暗号化・復号化処理を行う際に役立ちます。